🐝ニホンミツバチとの出会い

皆さんは、自宅の庭やベランダで

ミツバチが飼えることをご存知でしょうか？

数年前の私は、昆虫そのものが苦手で、

ミツバチが庭に来ようものなら、

刺されるのが怖くて逃げていたくらいでした。

もちろん、自宅で飼う、などというだいそれたことを、

考えたことすらありませんでした。

そんな私が、ひょんなことからミツバチに心を奪われ、

ミツバチのことを知れば知るほど、

この小さな昆虫がどれほど私たちの暮らしに

貢献してくれていたのかを知りました。

それなのに、農薬や殺虫剤で、

彼女らが絶滅の危機にさらされていることを知り、

これは何とかして守らなければならない、と感じました。

そして、できるだけ多くの方に、

このことを知ってもらいたいと思うようになったのです。

ミツバチは、花蜜を集めるだけではなく、

世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、

7割を受粉、媒介していると言われています。

これはどういうことかと言うと、

ミツバチがいなくなると、

私たちも食糧難などの危機にさらされるということです。

そうならないためにも、私たちが今できるのは、

このか弱い小さな生き物が置かれた現実を知り、

守っていくということが大切です。

それに、ミツバチは飼うことで楽しい発見がいっぱい。

毎日一生懸命に働くミツバチの姿に

驚きや感動が絶えません。

とれたての生の蜂蜜や巣蜜は、花の香りがして爽やか。

このブログでは、この感動を皆さんにも味わっていただくため

少しずつお話をしていこうと思います。

今回は、私がなぜ養蜂を始めたのかについて

お話ししていきますね。 

 

🐝週末養蜂を始めたきっかけ 

私が最初、ミツバチに興味を持ったのは、

YouTubeのある動画からでした。

その動画では、緑に包まれた自宅の庭で

初老の夫婦がニホンミツバチを飼っている日々の様子を

優しい語りと音楽で紹介されていました。

せっせと花粉や蜜を運ぶミツバチたち、

庭を手入れする夫婦、それを傍らで見守る犬。

当時、朝から晩まで仕事漬けの日々を

送っていた私にとって

野生のミツバチが庭で飼える、という驚きもさることながら、

倖せを絵に描いたような老夫婦の田舎暮らしのすべてが新鮮で、

気が付くと、

「ニホンミツバチ飼いたい病」にかかっていました。

しかしながら、普通のペットと違い、

相手は野生のニホンミツバチです。

彼女たちは野山に住んでいて、

原則、ペットショップなどで買うことはできません。

さらに絶滅が叫ばれている希少種なため、

出会うことすらままならないという現実があります。

それに、万が一、群れを手に入れられたとしても、

飼育するには、それなりの知識や経験が必要です。

そこでまず、以下のような

養蜂関連の書籍を読み漁りました。

なかでも、久志富士男さんの

『わがやにミツバチがやってきた』は具体的で読みやすく、

今でもバイブル的存在になっています。

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養蜂本

🐝二ホンミツバチとの運命の出会い

ある程度の基礎知識が頭に入ったところで、

今度は、実際に、この目でニホンミツバチを見てみたい、

触ってみたいという欲求にかられました。

そこで、週末になると、

手始めに車や自転車を郊外に走らせ、

畑や山、蜜源となる植物を探しに出かけました。

何度か足を運ぶうち、休憩に立ち寄ったある喫茶店で、

突然の出会いがやってきました。

彼女は、お店のレンガ壁一面を這ったツタの茂みで

せっせと採蜜活動をしていました。

風もないのにツタの葉がかさかさと揺れていたので、

もしやと思い、近づいたのです。

それは紛れもなく、二ホンミツバチでした。

私は出会った感動で、思わず、

「こんにちは、やっと会えたね」と声をかけ、

指で彼女の背中を撫でていました。

彼女はおとなしく、ツタの花の蜜を集めるのに必死で、

私の存在すら気が付かない様子でした。

 

🐝セイヨウミツバチとニホンミツバチ 

ミツバチは、大きく分けて、

セイヨウミツバチと二ホンミツバチの2種類に分類されます。

見た目は、セイヨウミツバチが少し大きめで

黄色っぽい体色（＊例外あり　黒くて小さい個体もいる）なのに対し、

ニホンミツバチは小さめでころころと丸く、

腹部の縞模様がはっきりとし、

体色も黒っぽいのが特徴です。（＊例外あり　夏生まれは少し黄色い個体あり）

性格はおとなしく、

滅多に人を刺すことはありません。

＊正確に見分けるには、下の羽、下翅（かし）の模様をみます。

 ＊こんな黒っぽい体色のセイヨウミツバチもいます。 

セイヨウミツバチは、比較的気が荒く、

基本的には養蜂家のもとで飼育されています。

それに対してニホンミツバチは、野生です。

だから、飼うなら、

野生のミツバチを捕まえるしか方法はありません。

もしもどなたかお知り合いに

ニホンミツバチを飼っている人がいたら、

頼んでわけていただくのも1つの方法です。

ときたまネットで高額で個人取引をされているのを見かけますが、

私はあまりお勧めはしません。

遠くから群れが移動してくるのも可哀そうですし、

アカリンダニと呼ばれるダニを媒介することもあるからです。

それに、野生のため、群れが逃去することはしょっちゅうですから、

価格に見合う取引ができるとも限りません。

購入の際は、十分注意された方がよろしいかと思います。

🐝先輩、師匠との出会い

強く願うと、思いは通じるものです。

それから数年後、

ようやくニホンミツバチを飼っている養蜂家と出会えました。

今の私の師匠です。

師匠は、初心者の私に１から養蜂のノウハウなど、

さまざまなことを実践で教えてくださいました。

そして、その年の分蜂（巣分かれ）群れを捕獲。

ニホンミツバチ養蜂がスタートしました。

それから1年間、

ミツバチがどんな暮らしをするのかを師匠について勉強しました。

採蜜や継箱などの作業を手伝いながら、徐々に覚えていきました。

春の分蜂（巣分かれ）に始まり、

採蜜、継箱、夏の暑さとスズメバチ対策、

洋蜂の盗蜂対策、冬の寒さ管理、

蜜源不足期の飢えの管理など、

四季を通じてどんな世話が必要なのかを

一通りあちこちで見学させていただきました。

その都度生じた疑問を自分なりに調べたり、

教えを請うなどしながら、

1歩ずつ養蜂を学んでいき、今に至ります。

この春から新天地へ移り、

養蜂3年目にして

新たなニホンミツバチ養蜂の師匠も現れ、

皆さんからお知恵を拝借し、学ばせていただいています。

勉強熱心なはちの会の皆さんともお会いし、

週末にミツバチの話ができる倖せを感じています。

環境保護はもちろん、蜜源植物の植栽など

これからもニホンミツバチの保護、普及に尽力したいと思っています。

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